受験において効率が良い勉強法を探し続けた結末

”もっと楽に勉強できる方法はないか。”、”もっと簡単にテストで点数がとれる方法はないか。”と追求する事に良いも悪いもありません。

楽で簡単な勉強方法を追求し続けるのが目的なのかどうか、が問題です。

「試験で合格点をとる」という事が目的ならば、もっと楽に点数が取れる方法を探す「だけ」では、目的に向かって1mmも進んでいないという事を意識しておく必要があります。

効率が良い勉強法を探すならば、その楽に点数がとれる方法を使い、勉強して”初めて”1ミリ進むという事を意識しておかなくてはなりません。

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楽な勉強法が見つかったと思う時はどんなとき?

楽な勉強法を見つけてから勉強する、という方もいるでしょう。

もちろんそれ自体に良い悪いはなく、私が口を出す事でもないわけです。

ですが、繰り返しになりますが「試験で合格点をとる」という事が目的ならば、勉強し始めるまでは1ミリも進んでないという事は忘れてはいけません。

「楽な勉強法を見つけるのが目的に繋がる。」と思われる方もいるでしょう。

もちろん繋がります。実際に勉強して”はじめて”。

また、試験まで時間は限られているという事を自覚する必要もあります。

効率良い勉強法を見つけたい!・・・なの?

「A」という勉強法を知っている2人の話です。

X君は、「A」という方法を知り、その方法を参考にし実際に勉強を始めました。

実際に試験で合格点をとるのに必要な知識を頭に入れ始めました。

もう1人のQ君は、「Aはまぁまぁ良さそうだけど、なんか納得いかないんだよなぁ。楽ではなさそうだよなぁ。よし「B」「C」を探そう。」と心に決めました。

楽な勉強法を見つければ速攻で合格点取れるわ!と確信しています。

それから1ヶ月が経ちました。

X君の方は「A」という勉強方法をもとに勉強し始め、2日前のテストではそれなりに点数が上がっていました。

そして、1ヶ月勉強してきて、Aに自分なりの方法を加えたA’というものを作りあげたのです。

「合格点には全然届いていないけど、A’を元に勉強していけばこれからもテストの点数があがるかも知れない。」と感じていました。

そして事実、少なくとも勉強し始める前よりは点数が上がっていました。

一方Q君はというと、2日前のテストでは点数は変わっていなかったのですが自信満々です。

「めっちゃ効率良い勉強法を見つければ、すぐ合格点届くでしょ。」という感じです。

「新たに「B」という勉強法を見つけたけど「A」と大差なさそうだし、ここで「B」やったら大差ない「A」を一ヶ月前に始めてない分1ヶ月損しただけになっちゃう。そんなのイヤっしょ。もっと効率いい勉強方法を探そう。」とやる気になっています。

更に1ヶ月経ちました。

X君はというと、「よし、合格点にはまだまだだけど確実に模擬テストの点数上がってた!この調子でいくといいな。それにA’を改良してA”でやってるし、事実点数上がってる。ちょっとやる気出てきた。」という状況です。

Q君の方は、「大丈夫。模擬テストは点数変わってなかったけど「C」を見つけたし、これからやっていけば余裕余裕」

「でも、Cも良い方法だと思うけど、この2ヶ月分考えると最初からAやってたのと変わんなそうなんだよな。それって損してんじゃん。今まで頑張って探してきたのに結果変わってないじゃん。やっぱり「D」探そう」となっています。

そして、Q君の所へ友達のL君がやってきました。

L君「やばいやばい。勉強してなくてこの前のテストの点数ひどかったよ。」

Q君「大丈夫。俺もダメだったよ。でも俺、効率良い勉強法探してるから最高の勉強法見つけたらすぐ追い抜けんのよ。」

L君「えっ、効率良い勉強法ってなに?良いのあった?」

Q君「いや、まぁまぁ良いCってのは見つけたんだけど、まだ良さそうなのありそうなんだよね。もうちょっとで見つけられると思うんだよ。結構大変なんだよね。」

L君「あっそうなん。ちょっと、「C」で良いから教えてくんない?」

人が良いQ君はL君に「C」を教えることにしました。

L君は「C」の詳細を教えてもらい、なかなか良さそうだと思い、Cを参考に実際に勉強を始める事にしました。

その1ヶ月後。

X君「やったー。この前のテストで今までの最高点数だった! A”からA”’見つけて、俺に合ってる勉強法やってるし確実に点数上がってる。あとは、このまま頑張れるかどうかだけだな。」

Q君「よっしゃあ。Cより良い「D」を見つけた!これなら勝てる!この前のテスト、点数変わらないどころか忘れ方ひどくて下がっちゃったけど、まぁいいか。」

「Dでやればすぐでしょ。でもなぁ~、Dも良いけどめっちゃ楽とは言えないな。結構辛そうな部分もあるんだよなぁ~。よし、「E」見つけたら勉強始めよう」

「楽勝、楽勝」

L君「Qに教えてもらったCをもとに勉強してたけど、やる前と比べたらちょっとは点数上がってた。この方法で良いかわかんないけど、もう少し続けてみるか。ちょっとは点数上がってんだし。」

その1ヶ月後。

X君「良かった、確実に点数上がってるわ。A”’に自信持って良さそうだし、事実合格点に近付いてる!もうどれだけやれば良いのか見えてきた!あとはやるだけ!」

Q君「よし、テストはダメだったけど、確実にいい勉強法の「E」は見つけられてる。よし、「F」絶対見つけてやるぜ。Eより良いF 見つけられたらハンパないっしょ。クククッ。」

L君「この前のテストも点数上がって嬉しかった~。Cから俺なりに工夫してC’にしたし、実際にC’で勉強してるからこのまま勉強していればイケる気がする。Q、ありがとう」

受験1ヶ月前。

X君「よし、ちゃんと合格点取れる様になってきてる。あとは確実に強化していくだけだ。」

「Aを知れて良かったな。AがなければA”’も作れなかったし、A”’があるから勉強を続けられたって事もある。よし合格が確定するまで最後まで絶対やり抜く!」

Q君「クックックッ。やったぜ。「Z」を見つけた。まじで長かったわ。」「もう今年度は無理だけど、来年度「Z」でやればいけるわ。もう今年度は良いから遊び行こうっと。」

L君「やった~。模擬試験で合格点に届いた!C”’でやってたらいつのまにか合格点届くようになってた。ホント嬉しい!」

「間に合うか分かんなかったけど、これで戦えるってやつでしょ。」

「実際に勉強してきたから当たり前の伸び方だけど、「C」をQに教えてもらってから始まったんだよな。ありがとうQ!「C」を教えてくれて。」

そして—。

効率アップなのだから元となる実際に勉強している時間がなければ話にならない

一人ひとりがやってきたコトはが何かというと、X君は長い時間、直結する事に時間をかけ続け積み上げてきました。

Q君が見切りをつけた勉強法「A」から確実に結果を出せるレベルにまでしました。

L君はスタートが遅れましたが、Q君が見切りをつけたCを教えてもらいC”’を作り出し、試験本番で結果が出てもおかしくないレベルにまでしました。

はたして、Q君は来年度「Z」で勉強するのでしょうか?「1」という方法を探してしまう可能性もあるのです。

「効率良い勉強法」を探すのは、勉強の効率アップだったり、勉強の効率を上げる、のが目的です。

なので、元となる実際に勉強している時間がなければ話にならないのです。

勉強法の研究に時間を割くというのは、実際に勉強している時間ではない、というのはちゃんと意識しておく必要があります。

学習方法にはいくつも種類があるので、キリもないですし、その良さげな勉強法も、ちゃんと「勉強する時間をとってはじめて」探し始めた目的に沿う状態になる、ってのはホントに意識しておく必要があります。

なにをもってより効率よく勉強する方法を見つけたと言えるのか?

そして、Z>A”’であるとは限らないのです。

Z < A”’かも知れないのです。

また、人それぞれによって、何が最適かは絶対ではなく、自分で作り上げていく必要があるのです。

Q君の目的が効率よく勉強する方法の「Zを見つけること」ならば、Q君は目的達成ですから何の問題もないのです。

ですが、Q君の目的もX君やL君と同じ「合格する。」だったのです。

それがいつのまにか、やっている事と結果だけを見れば、目的がすり変わった(より効率よく勉強する方法を見つける事)と言ってもおかしくない状態になってしまったのです。

そして、Q君の学力は、Zを使って実際に勉強していない現時点では1年前と同じなのです。

というか、もともとあったものさえ忘れているので、下がっているのです。

Q君は運良くZを見つけられたのがせめてもの救いです。

ですが、「Z」が最良かどうか、Q君にはまだ分からないのです。

良さ「そう」というだけの話です。

なぜなら、実際に自分で試した事は、まだ1度もないのですから・・・。

※A、B、C、D、E、F、Zには勉強法はもちろん、参考書、問題集、予備校、仕事のやり方、などありとあらゆるものが当てはまります。

そして当てはまるという事はそれだけ、似たような話が世の中にあふれているという事なのです。

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